恋愛関係における誠実さってなんだろうと、たまに思う。
むかし、付き合いだしてすぐの恋人に、
「いまこんなにラブラブでも、来月くらいには別の人と結婚してたりして」
と、冗談めかして言うと
「そりゃわかんないよ。人の気持ちは変わるからね」
と言われて、暗澹たる気持ちになったことがある。
恋人の言っていることは正しい。
が、ショックである。
そこは、こう、
「そんなことないよ〜」
みたいな。それがイヤならせめて
「そういう可能性もあるけど、ま、ないよ」
くらいは言ってしかるべきじゃないのか、と思いつつ、
むしろ、そんな風に言ってくれるこの人はとても「誠実」なんじゃないか……。
と、うきうき惚れ直したりもするのであった。わたしは「誠実」に弱い。
それからしばらく経って、件の恋人が旅行に行くというので、
「おみやげ買ってきてー」と、軽い気持ちで言った。
すると彼は「わからない」と答えた。
わたしはまったく予想していないリアクションに驚いたが、彼は大真面目だった。
「だって、そんな時間が取れるかどうかわからない」と言う。
ちなみに、旅行というのは大学の友人とのスキー旅行だ。遊びだ。
「いや、絶対取れるでしょ」
「絶対とか言えないし、『買ってくる』って言って買ってこなかったらがっかりするでしょ?」
「しないよ、ていうか絶対おみやげタイムあるよ」
軽い一言が、ちょっとした喧嘩になってしまった。
最終的に彼は頭を抱えながら
「本当にわからないから俺にこれ以上おみやげの話をしないでくれ」
と言って、口を閉ざした。
ぽかーん。
"頼む側なんだからねー。それにしてもどっちもどっちかな